既卒フリーターから正社員になるには?新卒枠の実態と就職の進め方

既卒フリーターから正社員になるには?新卒枠の実態と就職の進め方

「卒業してからフリーターのまま。既卒だと、もう正社員は難しいのでは」と不安になっていませんか。

結論から言うと、既卒フリーターから正社員になる道はあります。国の調査では、新卒向けの採用枠で正社員を募集した会社の約7割が、既卒者も応募できるようにしていました。

この記事では、既卒フリーターの就職の実態をデータで確認し、卒業後の年数に合わせた動き方、新卒枠と中途枠の使い分け、面接で「なぜ既卒なのか」を伝えるコツをまとめます。

  • 既卒とは、学校を卒業したあと正社員として就職していない人のこと。フリーターとして働いていても既卒にあたる
  • 国は企業に、卒業後少なくとも3年間は既卒者も新卒枠で受け付けるよう求めている(努力義務)
  • 新卒枠で正社員を募集した事業所の71%が既卒者の応募を受け付け、そのうち43%が採用にいたった
  • 卒業後の年数が浅いうちは新卒枠と中途枠の両方、3年を過ぎたら中途枠の「未経験歓迎」が中心になる
  • 面接では「なぜ既卒になったか」を短く事実で話し、「今なぜ正社員か」につなげる
  1. 既卒フリーターとは?第二新卒・フリーターとの違い
    1. 3つの言葉の違い
    2. 既卒はいつまで?
  2. 既卒フリーターの就職は不利?データで見る実態
    1. 卒業後3年間は新卒枠で受け付けるよう国が求めている
    2. 新卒枠で既卒を受け付けた会社は7割、採用まで進んだのは4割
    3. 既卒・フリーターの相談は珍しくない
  3. 既卒フリーターが不利と言われる理由
    1. 「なぜ新卒で就職しなかったのか」を聞かれる
    2. 卒業してからの過ごし方を見られる
    3. 新卒・中途の両方の応募者と比べられる
    4. 見送りになりやすいのは学歴より「受け答え」
  4. 卒業後の年数別:既卒フリーターの動き方
  5. 新卒枠と中途枠、どちらで応募する?
  6. 既卒フリーターから正社員になる進め方
    1. 既卒になった理由を「事実」で書き出す
    2. 応募する仕事の条件を2つに絞る
    3. 履歴書でアルバイト経験を伝える
    4. 面接で「なぜ既卒か」に答える準備をする
  7. 既卒フリーターが目指しやすい仕事
    1. 正社員になると、年齢とともに給料の差が開く
    2. バンキャリで紹介が多い職種
    3. 高卒でフリーターを続けていた方の例
  8. 既卒フリーターが使える相談先
  9. 既卒フリーターの就職に関するよくある質問
    1. 既卒は新卒扱いになりますか?
    2. 既卒3年目でも就職できますか?
    3. 既卒と第二新卒はどちらが有利ですか?
    4. 既卒フリーターは何歳までに就職したほうがいいですか?
  10. まとめ:既卒フリーターは、枠を使い分けて早めに動こう

既卒フリーターとは?第二新卒・フリーターとの違い

まず言葉の意味を整理しておきます。似た言葉が多いので、自分がどれにあたるかを確認しましょう。

3つの言葉の違い

言葉 意味 正社員の経験
既卒 学校を卒業したが、正社員として就職していない人 なし
第二新卒 卒業後に一度就職し、数年以内に辞めた人 あり(短い)
フリーター パート・アルバイトで生計を立てている若い人 問わない

既卒は「学歴と就職のタイミング」の言葉です。フリーターは「今の働き方」の言葉です。そのため、卒業後にアルバイトを続けている人は「既卒」でもあり「フリーター」でもあります。この記事では、こうした人を「既卒フリーター」と呼びます。

高校・専門学校・短大・大学のどこを卒業したかは問いません。高校を出てアルバイトを続けている人も、既卒フリーターにあたります。

既卒はいつまで?

「既卒はいつまで既卒なのか」という決まりは、法律にはありません。目安になるのは次の2つです。

  • 新卒枠に応募できる目安:卒業後おおむね3年以内(国の指針。後で説明します)
  • 国の統計での既卒者:厚生労働省の労働経済動向調査では、卒業後すぐにその会社へ就職した人以外で、35歳未満の人を「既卒者」としています。働いた経験の有無は問いません

(出典:厚生労働省「労働経済動向調査(令和7年8月)の結果の概況」)

既卒フリーターの就職は不利?データで見る実態

「既卒は不利」とよく言われます。実際のところを、国の資料で確かめてみましょう。

卒業後3年間は新卒枠で受け付けるよう国が求めている

厚生労働省は、若者の採用について企業向けの指針を出しています。その中で、学校を卒業して少なくとも3年間は、既卒者も新卒の採用枠に応募できるよう努めることを企業に求めています。

これは「努力義務」です。守らなくても罰則はありません。そのため、すべての会社が受け付けているわけではない点は知っておきましょう。

(出典:厚生労働省「若者の募集・採用等に関する指針」、千葉労働局「卒業後3年以内の既卒者は、『新卒枠』での応募受付を!」)

新卒枠で既卒を受け付けた会社は7割、採用まで進んだのは4割

厚生労働省が2025年8月に行った調査では、2024年度の新卒採用枠で正社員を募集した事業所について、既卒者の扱いを聞いています。

項目 割合
既卒者も応募できた 71%
└ そのうち既卒者の採用にいたった 43%

業種によって差もあります。

業種 既卒者も応募できた そのうち採用にいたった
建設業 73% 36%
製造業 60% 33%
医療・福祉 84% 54%
調査した全業種 71% 43%

(出典:厚生労働省「労働経済動向調査(令和7年8月)の結果の概況」)

同じ調査で今後の方針を聞くと、「応募可能としたい」が31%、「年齢によって応募可能としたい」が13%でした。「応募不可としたい」は3%にとどまります。

つまり「既卒だから門前払い」という会社は少数派です。一方で、応募できても採用まで進むのは半分に届きません。不利というより、準備しだいで結果が分かれると考えるのが実態に近いでしょう。

既卒・フリーターの相談は珍しくない

キャリアアドバイザーの声

バンキャリに相談に来る方のうち、約9割はフリーター・既卒・高卒・20代の方です。製造職・機械系エンジニア・半導体エンジニア・施工管理職・事務職のどの職種でも、紹介実績の約9割が未経験からの入社です。「卒業してからアルバイトしかしていない」という状況は、私たちにとってよくある相談のひとつです。

既卒フリーターが不利と言われる理由

それでも「既卒は不利」と言われるのは、企業が既卒者を見るときに気にするポイントがあるからです。

「なぜ新卒で就職しなかったのか」を聞かれる

既卒の面接で、ほぼ聞かれるのがこの質問です。企業は責める目的で聞いているわけではありません。仕事への考え方や、同じことが入社後に起きないかを知りたいのです。

答えに詰まったり、学校や景気のせいにしたりすると、「入ってもすぐ辞めるかもしれない」と受け取られやすくなります。

卒業してからの過ごし方を見られる

卒業してからの時間を何に使ってきたかも見られます。アルバイトを続けてきたなら、それは立派な話の材料です。シフトを守ってきた、新人に仕事を教えた、といった経験は仕事への姿勢として伝わります。

新卒・中途の両方の応募者と比べられる

新卒枠では在学中の学生と、中途枠では社会人経験のある人と並びます。どちらの枠でも「自分ならでは」を話せるよう、準備しておく必要があります。

見送りになりやすいのは学歴より「受け答え」

キャリアアドバイザーの声

私たちが紹介した方の選考を振り返ると、書類で見送りになるケースはあまり多くありません。書類で落ちやすいのは、年齢の割に職歴の数が多い方や、短期間で辞めることが続いている方です。面接では、第一印象が暗い、質問とかみ合わない答えになる、といった理由で見送りになることがあります。既卒かどうかよりも、話し方と答えの準備で差がつきます。

卒業後の年数別:既卒フリーターの動き方

既卒フリーターといっても、卒業してからの年数でとれる作戦が変わります。自分に近い行を見てください。

卒業してから 応募先の中心 今やっておきたいこと
1年以内 新卒枠+中途枠の両方 新卒の採用スケジュールを確認し、締め切りに遅れないようにする
1〜3年 新卒枠(受け付けている会社)+中途枠の「未経験歓迎」 アルバイトで続けてきたことを言葉にしておく
3年以上 中途枠の「未経験歓迎」「学歴不問」 卒業後の経験を職務経歴書にまとめる。年齢が上がる前に動き出す

どの段階でも、アルバイトを続けながら就職活動はできます。ただ、シフトを入れすぎると面接の日程が組めません。週に1〜2日は空けられるよう、早めに調整しておきましょう。

新卒枠と中途枠、どちらで応募する?

既卒フリーターは、新卒枠と中途枠のどちらにも応募できる立場です。それぞれの特徴を比べてみましょう。

新卒枠 中途枠(未経験歓迎)
一緒に受ける人 在学中の学生 社会人経験者・フリーター
選考の時期 会社ごとに決まった時期が多い 一年中(欠員が出たとき)
入社の時期 4月入社が多い 内定後、早めに入社することが多い
研修 同期とまとめて受けることが多い 配属先で先輩に教わる形が多い
確認すること 「卒業後〇年以内」などの応募条件 「未経験歓迎」「学歴不問」かどうか

新卒枠は同期と一緒に一から教わりやすい反面、募集の時期が限られます。中途枠は時期を選ばず、早く働き始められます。どちらか一方に絞らず、両方を並べて応募すると、チャンスを逃しにくくなります。

既卒フリーターから正社員になる進め方

ここからは、具体的な進め方を4つの段階に分けて紹介します。

既卒になった理由を「事実」で書き出す

まず、新卒で就職しなかった理由を紙に書き出します。よくある理由は次のようなものです。

  • 就職活動をしたが、内定が出なかった
  • やりたいことが決まらず、就職活動をしなかった
  • 内定先を辞退した
  • 家庭の事情や体調で、就職活動ができなかった

きれいな言葉にしなくて大丈夫です。事実をそのまま書き、その後に「今はどう考えているか」を1行足します。

応募する仕事の条件を2つに絞る

次に、ゆずれない条件を2つまで決めます。例えば「土日休み」と「家から通える」などです。条件が多いほど応募できる求人は減ります。最初は少なく始め、応募しながら見直しましょう。

履歴書でアルバイト経験を伝える

履歴書の職歴欄には、卒業後のアルバイトを書いてかまいません。「〇〇株式会社 入社(アルバイト)」のように雇用形態を添えます。期間が長い経験や、任されていた役割があれば、自己PRで具体的に書きましょう。

志望動機の書き方は「未経験転職の志望動機の書き方|例文とポイントを解説」で例文つきで紹介しています。

面接で「なぜ既卒か」に答える準備をする

答え方の基本は「事実 → 気づいたこと → これからどう働きたいか」の順です。理由ごとの伝え方の例をまとめました。

既卒になった理由 伝え方のポイント
内定が出なかった 準備不足だったと認める。今回はどこを改めたかを具体的に話す
就職活動をしなかった 将来を考えきれていなかったと正直に話す。アルバイトで働くうちに正社員を目指そうと思ったきっかけを伝える
内定を辞退した 辞退した理由を短く話す。今回は仕事内容をよく調べて応募したことを伝える
家庭の事情・体調 話せる範囲で事実を伝える。今は働ける状態であることをはっきり伝える

ポイントは、理由の説明を短くし、「これから」の話に時間を使うことです。面接全体の準備は「未経験転職の面接対策|よくある質問と回答例」も参考にしてください。

既卒フリーターが目指しやすい仕事

既卒フリーターが正社員を目指すなら、「未経験歓迎」「学歴不問」「研修あり」の3つがそろった求人を選ぶと挑戦しやすくなります。

正社員になると、年齢とともに給料の差が開く

国の賃金調査で、フルタイムで働く人の毎月の基本給(残業代などを除く)を比べると次のとおりです。

年齢 正社員 正社員以外
20〜24歳 約24.8万円 約20.4万円
35〜39歳 約35.3万円 約23.0万円

(出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」雇用形態別にみた賃金。千円単位を万円に直して四捨五入)

20代前半の差は月4万円ほどですが、30代後半には12万円ほどに広がります。動き出しが早いほど、この差を縮めやすくなります。

バンキャリで紹介が多い職種

私たちが未経験の方を紹介することが多いのは、次の職種です。年収は、バンキャリの紹介実績から見た入社1年目の目安です。

職種 どんな仕事か 初年度年収の目安
製造職 工場での組み立て・加工・検査 約300〜500万円
機械系エンジニア 機械の組み立て・点検・保守 約300〜500万円
半導体エンジニア 半導体をつくる装置の操作・保守 約300〜500万円
施工管理職 建設現場のスケジュール・安全・品質の管理 約300〜500万円
事務職 データ入力・書類作成・電話対応 約300〜400万円

技術職は理系向けと思われがちです。実際は、研修やOJT(先輩について働きながら覚えるしくみ)で、決まった手順の作業から少しずつ覚える職場が中心です。仕事の中身は「工場勤務の年収はいくら?」「施工管理の仕事内容とは?」でくわしく紹介しています。

バンキャリの紹介はすべて正社員です。ただし雇われ方は2通りあります。メーカーなどに直接雇われる形と、技術者派遣・製造派遣の会社に無期雇用(期間の定めのない雇用)の正社員として入り、派遣先の工場や現場で働く形です。応募する前に、どちらの形の求人かを確かめておきましょう。

高卒でフリーターを続けていた方の例

転職事例

20代前半・高卒・コンビニのアルバイト歴3年 → 自動車部品メーカーの製造オペレーター(正社員) 高校卒業後、コンビニのアルバイトを続けていた方です。なかなか正社員の仕事が決まらない中でバンキャリに相談し、アドバイザーのサポートを受けて内定しました。決め手は、仕事に前向きに取り組めそうだと感じたことと、年収が上がることでした。未経験で不安もありましたが、入社後の研修が充実していて、早く仕事に慣れることができたそうです。年収は約200万円から約330万円に上がりました。

既卒フリーターが使える相談先

学校を卒業すると、キャリアセンターや進路指導の先生には頼りにくくなります。目的に合わせて、外の窓口を使い分けましょう。

相談先 どんな窓口か こんな人に
新卒応援ハローワーク 学生や、卒業後おおむね3年以内の人の就職を支える公的な窓口 卒業して間もなく、新卒枠も狙いたい
わかものハローワーク 正社員を目指す、おおむね35歳未満の若者を支える公的な窓口 相談しながら地元の求人を探したい
地域若者サポートステーション(サポステ) 働くことに悩みを抱える人を支える国の窓口 働く自信がなく、準備から始めたい
就職エージェント 担当者が求人の紹介から書類・面接の準備まで手伝う 早く正社員の就職を決めたい

(出典:厚生労働省「若者への就職支援」。2026年10月時点)

卒業してから働いていない期間が長い方は「ニートからの転職・就職は可能?正社員になる進め方と相談先」、大学を中退した方は「大学中退から正社員になれる?」もあわせて読んでみてください。

キャリアアドバイザーの声

面談では「20代後半だけど今からでも間に合うか」「面接で何を話せばいいかわからない」という声をよく聞きます。バンキャリには20代後半や30代の方の紹介実績もあります。面接の前には、聞かれそうな質問と答え方を一緒に準備します。内定で終わりにせず入社後まで伴走しており、入社6か月時点の定着率は97%です(2026年度、バンキャリ調べ)。

既卒フリーターの就職に関するよくある質問

既卒は新卒扱いになりますか?

会社によります。国の指針では、卒業後少なくとも3年間は新卒枠で受け付けるよう企業に求めています。ただし努力義務のため、求人票の応募条件に「既卒可」「卒業後〇年以内」などと書かれているかを確認しましょう。

既卒3年目でも就職できますか?

できます。3年を過ぎると国の指針の目安から外れるため、新卒枠に応募できる会社は限られてきます。その場合は中途枠の「未経験歓迎」の求人が選択肢になります。卒業後のアルバイト経験を職務経歴書にまとめ、働く姿勢を伝えられるようにしておきましょう。

既卒と第二新卒はどちらが有利ですか?

一概には言えません。第二新卒は正社員の経験がある分、仕事の基本を知っていると見られやすい面があります。既卒は新卒枠も使える点が強みです。比べるより、自分の立場で使える枠を最大限に使うことが近道です。

既卒フリーターは何歳までに就職したほうがいいですか?

決まった期限はありません。ただ、正社員とそれ以外の給料の差は年齢とともに広がります。年齢と転職の関係は「転職は何歳まで?年代別の現実と対策ポイント」でくわしく解説しています。

まとめ:既卒フリーターは、枠を使い分けて早めに動こう

既卒フリーターから正社員を目指すポイントをおさらいします。

  • 卒業後にアルバイトを続けている人は「既卒」かつ「フリーター」
  • 新卒枠で既卒を受け付けた事業所は71%。採用まで進んだのはそのうち43%で、準備しだいで差がつく
  • 卒業後3年以内は新卒枠と中途枠の両方、3年を過ぎたら中途枠の未経験歓迎が中心
  • 「なぜ既卒か」は事実を短く話し、これからの働き方につなげる
  • 未経験歓迎・学歴不問・研修ありの仕事を選ぶと挑戦しやすい

アルバイトを続けながら就活を進める流れは「フリーターの就活の進め方|正社員になるまでの5ステップ」、正社員を目指す全体像は「正社員に転職するには?成功するための方法と対策」も参考にしてください。

既卒からの就職、ひとりで悩まずに相談してください

バンキャリでは、既卒・フリーター・高卒の方の正社員就職を無料でサポートしています。既卒になった理由の伝え方や職種選び、履歴書・面接の準備まで一緒に進め、入社後まで伴走します。「新卒枠と中途枠、どちらで応募すればいいかわからない」という段階でも、お気軽にご相談ください。

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