新卒ですぐ転職しても大丈夫?1年目で辞める前に知りたい実態と進め方

新卒ですぐ転職しても大丈夫?1年目で辞める前に知りたい実態と進め方

「新卒で入った会社を、もう辞めたい。でも、すぐ転職したら人生が詰むのでは」と悩んでいませんか。

結論から言うと、新卒ですぐ転職すること自体は珍しくなく、それだけで道が閉ざされるわけではありません。ただし、辞める前の準備と次の会社の選び方しだいで、その後の進みやすさは大きく変わります。

この記事では、国の統計でわかる新卒1年目の離職の実態、すぐ辞めて不利になる点とならない点、辞める前に確認したいこと、面接での退職理由の伝え方までをまとめます。

  • 大卒の約8人に1人、高卒の約6人に1人が、就職して1年以内に最初の会社を辞めている
  • 卒業後3年以内なら、新卒枠で応募を受け付けるよう国が企業に呼びかけている。第二新卒向けの求人もある
  • 不利になりやすいのは「1回すぐ辞めたこと」より「短期離職を繰り返すこと」
  • 新卒1年目で自己都合退職すると、失業保険(雇用保険の基本手当)を受け取れないことが多い。辞める前にお金の計画を
  • 心身の不調やハラスメントがあるなら、無理に続けず、先に相談先を確保する

新卒ですぐ転職する人はどのくらいいる?

「1年もたずに辞めるのは自分だけでは」と感じるかもしれません。まずは国の統計で実態を見てみましょう。

1年目で辞める人は大卒で約12%、高卒で約18%

厚生労働省は毎年、新卒で就職した人がその後どれくらい辞めたかを公表しています。2022年3月に卒業して就職した人の離職率は次のとおりです。

最終学歴 1年目 2年目 3年目 3年以内の合計
大学 12.1% 11.9% 9.9% 33.8%
短大など 19.3% 13.7% 11.5% 44.5%
高校 17.9% 11.5% 8.5% 37.9%

(出典:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」、資料全体版PDF。合計は四捨五入の関係で内訳の合計と一致しないことがある)

大卒ではおよそ8人に1人、高卒ではおよそ6人に1人が、1年以内に最初の会社を辞めています。3年以内まで広げると、大卒の約3人に1人です。

新卒ですぐ辞めるのは、決して少数派ではありません。

会社の規模や業界でも差が大きい

同じ調査では、会社(事業所)の規模や業界によって離職率に大きな差があることもわかっています。大卒の3年以内の離職率を見ると、次のとおりです。

事業所の規模 3年以内の離職率(大卒)
5人未満 57.5%
5〜29人 52.0%
30〜99人 41.9%
100〜499人 33.9%
500〜999人 31.5%
1,000人以上 27.0%

業界別では、宿泊・飲食サービス業(55.4%)、生活関連サービス・娯楽業(54.7%)、教育・学習支援業(44.2%)などが高くなっています(出典:同上)。

この数字は「小さい会社や特定の業界がダメ」という意味ではありません。ただ、辞めた原因が本人だけでなく、職場の環境にあることも多いと読み取れます。次の会社を選ぶときの参考にしてください。

新卒ですぐ転職すると不利?有利な点と不利になる点

すぐ辞めることには、プラスとマイナスの両方があります。両方を知ったうえで判断しましょう。

有利な点:20代前半は「若さ」と「新卒枠」が使える

有利な点 内容
新卒枠に応募できる場合がある 国は企業に対し、卒業後3年以内の既卒者も新卒枠で受け付けるよう呼びかけている
第二新卒(就職して数年以内に転職する若手)の求人がある 社会人経験のある若手向けで、未経験の職種を募集する求人もある
職種を選び直しやすい 経験よりも、やる気や人柄を見てもらいやすい時期
合わない環境に長くいずに済む 心身をすり減らす前に、立て直しやすい

厚生労働省は若者雇用促進法(若い人の就職と定着を支えるための法律)にもとづき、「卒業後3年以内の既卒者は新卒枠での応募受付を」と企業に呼びかけています(出典:厚生労働省「若者雇用促進法」)。

ただし、これは企業の努力義務です。すべての会社が新卒枠で受け付けるわけではない点は覚えておきましょう。

不利になる点:「またすぐ辞めないか」と見られる

一方で、気をつけたい点もあります。

  • 面接で「またすぐ辞めないか」と心配され、退職理由を詳しく聞かれる
  • 経験が短いため、経験者向けの求人には応募しにくい
  • 前の職場で身につけたことを話しにくい
  • 辞めてから次が決まるまで、収入が途切れる

特に1つ目は、ほぼすべての面接で聞かれると考えておきましょう。伝え方は後ほど例文で紹介します。

キャリアアドバイザーの声

私たちキャリアアドバイザーが選考の現場で見ていると、書類選考で落ちることはそれほど多くありません。たまに落ちるのは「年齢の割に職歴の数が多い」「短期離職が多い」ケースです。新卒で1回すぐ辞めたことより、短期離職を繰り返すことのほうが響きやすいと感じます。だからこそ、次の会社選びは慎重に進めてほしいのです。

すぐ辞めたほうがいいケース・様子を見てもいいケース

「辞めたい」と感じる理由はさまざまです。今の状況によって、急いだほうがいいか、少し待てるかが変わります。

すぐに動いたほうがいいケース

次のような状況なら、我慢を続ける必要はありません。

  • 眠れない、食欲がない、朝になると体調が悪くなるなど、心や体に不調が出ている
  • 暴言、いじめ、パワハラ(立場を利用した嫌がらせ)を受けている
  • 残業代が払われない、休みがほとんど取れないなど、約束と違う働き方をさせられている

心身の不調があるときは、まず医療機関に相談してください。職場の問題は、各地の労働局などにある「総合労働相談コーナー」に無料・予約不要で相談できます(出典:厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」)。

もう少し様子を見てもいいケース

一方で、次のような理由なら、辞める前に一度立ち止まる価値があります。

  • 仕事を覚えきれず、まだ慣れていないだけかもしれない
  • 苦手なのは今の部署や上司で、会社全体ではないかもしれない
  • 「何となく合わない」が続いているが、理由がはっきりしない

こうした場合は、異動の相談や、数か月だけ期限を決めて続けてみるのも1つの方法です。そのうえで気持ちが変わらなければ、転職に向けて動けば十分間に合います。

新卒ですぐ転職する前に確認したい3つのこと

勢いで辞めて後悔しないために、退職を伝える前に次の3つを確認しておきましょう。

失業保険を受け取れるかどうか

会社を辞めたあとの生活を支える「失業保険」(正式には雇用保険の基本手当)には、受け取るための条件があります。

辞め方 必要な雇用保険の加入期間
自己都合など一般の退職 辞める日より前の2年間に、通算12か月以上
倒産・解雇など(特定受給資格者)や、一部のやむを得ない理由の退職(特定理由離職者) 辞める日より前の1年間に、通算6か月以上でも可

(出典:ハローワークインターネットサービス「基本手当について」。2026年10月時点)

新卒1年目は加入期間が12か月に届かないことが多いため、自分の都合で辞めると失業保険を受け取れない可能性が高いです。自分が対象になるかは、辞める前にハローワークで確認しておくと安心です。

辞めたあと何か月暮らせるか

失業保険がない場合、次の仕事が決まるまでは貯金でやりくりすることになります。家賃・食費・スマホ代に加えて、会社を辞めると健康保険(国民健康保険など)や国民年金の支払いも自分で行う必要があります。

辞めたあとの生活費が何か月分あるかを書き出しておきましょう。余裕がなければ、在職中に転職活動を始めるのが安全です。

辞めたい理由を1行で書けるか

「なぜ辞めたいのか」を書き出すと、次の会社で同じことを繰り返さないための条件が見えてきます。

辞めたい理由 次の会社で確認したいこと
残業が多く休めない 月の平均残業時間、年間休日数
仕事内容が想像と違った 入社後の具体的な仕事、1日の流れ
教えてもらえず放置された 研修やOJT(先輩について仕事を覚える仕組み)の有無
人間関係がつらい 配属先の人数や雰囲気、面接で会う人の印象
給料が低い 基本給と手当の内訳、昇給の仕組み

この表は、面接で退職理由を話すときの下書きにもなります。

新卒ですぐ転職するときの進め方

準備ができたら、次の流れで進めていきましょう。

できれば在職中に始める

収入が途切れないこと、焦って決めずに済むことが、在職中に動く一番のメリットです。平日の夜や休日に求人を探し、面接は有給休暇を使うなどして調整します。

ただし、心身の不調があるときは別です。先に体を休めることを優先してください。

ひとりで探さず、相談できる窓口を使う

若い人向けの公的な窓口もあります。

窓口 対象
新卒応援ハローワーク 就職活動中の学生や、卒業後おおむね3年以内の人
わかものハローワーク 正社員を目指す、おおむね35歳未満の若者
地域若者サポートステーション 働くことに悩みを抱えている人

(出典:厚生労働省「若者への就職支援」。2026年10月時点)

このほか、求人サイトや、書類・面接の準備まで手伝ってくれる就職エージェントもあります。探し方ごとの違いは「就職の探し方7つ」で詳しく紹介しています。

職種を選び直すのも選択肢

1社目で「この仕事は合わない」とわかったなら、職種ごと変えるのも1つの手です。20代前半は、未経験の職種に挑戦しやすい時期でもあります。

キャリアアドバイザーの声

バンキャリが紹介している求職者の約9割は、フリーター・既卒・高卒・20代の方です。紹介実績の約9割は未経験からの入社で、製造職や機械・半導体のエンジニア、施工管理職、事務職などを紹介しています。紹介はすべて正社員ですが、メーカーなどに直接雇われる形と、派遣会社の正社員として派遣先で働く形の両方があります。入社後まで伴走しており、入社6か月時点の定着率は97%(2026年度、バンキャリ調べ)です。

モデルケース

大卒・新卒で入った営業職を8か月で辞めたいケース ノルマと長時間労働が続き、休日も疲れて動けない状態。在職中に、辞めたい理由を残業の多さと評価のされ方の2つに整理します。そのうえで、研修があり、手順に沿って技術を覚えていける製造職や施工管理職などを候補に入れて求人を比べます。面接では、長く働ける環境で技術を一から身につけたいという、次にやりたいことを軸に話す準備をします。

※よくあるご相談をもとに作成した架空のモデルケースです。

未経験からの仕事選びは「正社員になるには?バイト・契約社員・派遣から目指す4つのルート」も参考にしてください。

面接で退職理由をどう伝える?

新卒ですぐ転職するとき、面接でまず聞かれるのが「なぜ前の会社を辞めたのか」です。

伝え方の3つのポイント

  • うそはつかない。 事実は短く正直に伝える
  • 前の会社の悪口にしない。 不満ではなく「何を大事にしたいか」に言い換える
  • 次の会社でどうしたいかで締める。 「だから御社で長く働きたい」につなげる

退職理由の言い換え例

本音 面接での伝え方の例
残業が多すぎてつらかった 月の残業が多く、体調を崩しかけたことで、長く働き続けられる環境の大切さに気づきました。御社では腰を据えて仕事を覚えたいと考えています
仕事が合わなかった 実際に働いてみて、人と数字を追う仕事より、手を動かして形にする仕事のほうが向いているとわかりました
研修がなく放置された 教わる仕組みが少ない中で、自分で調べながら働きました。今後は研修を受けながら着実に技術を身につけたいと考えています
キャリアアドバイザーの声

面接で落ちやすいのは、第一印象が暗いケースや、質問と答えが噛み合わないケースです。退職理由は聞かれるとわかっているので、準備した人とそうでない人の差が出やすいところです。バンキャリでは、面接対策の中で想定質問と答え方を事前に準備しています。

面接全体の準備は「未経験転職の面接対策|よくある質問と回答例」、志望動機の作り方は「未経験転職の志望動機の書き方」で紹介しています。

新卒ですぐ転職することに関するよくある質問

新卒で3か月や半年で辞めても、転職できますか?

転職している人はいます。統計でも、大卒の約8人に1人が1年以内に最初の会社を辞めています。ただし面接では退職理由を詳しく聞かれるため、「なぜ辞めたか」「次はどうしたいか」を話せるよう準備しておきましょう。

新卒ですぐ辞めると「人生終わり」ですか?

そんなことはありません。卒業後3年以内なら新卒枠や第二新卒の求人に応募できる場合もあります。大事なのは、次の会社選びで同じミスマッチを繰り返さないことです。

履歴書に短期間の職歴は書くべきですか?

正社員として入社した会社は、短い期間でも書くのが基本です。書かずに後からわかると、信頼を失うおそれがあります。期間が短いことより、理由をきちんと説明できることを大切にしましょう。

次の仕事を決めてから辞めるべきですか?

生活費に余裕がないなら、在職中に動くのが安全です。新卒1年目で自己都合退職すると、失業保険を受け取れないことが多いためです。一方、心身の不調があるときは、休むことを優先してください。

転職そのものへの不安が強い人は、「初めての転職が不安な方へ」や「転職の不安はなぜ起こる?」も読んでみてください。

まとめ:新卒ですぐ転職するなら「次で長く働ける会社」を選ぶ

  • 新卒1年目で辞める人は、大卒で約12%、高卒で約18%。珍しいことではない
  • 20代前半は新卒枠や第二新卒の求人を使え、職種を選び直しやすい
  • 不利になりやすいのは、短期離職を繰り返すこと
  • 辞める前に、失業保険の条件と生活費、辞めたい理由を確認する
  • 心身の不調やハラスメントがあるなら、我慢せず先に相談する

すぐ辞めること自体より、次の会社で長く働けるかどうかのほうが、これからのキャリアに大きく影響します。焦らず、条件を整理してから動きましょう。

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バンキャリでは、20代・既卒・未経験の方の正社員転職を無料でサポートしています。辞めたい理由の整理から、次に長く働ける仕事選び、面接での退職理由の伝え方まで一緒に考えます。

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