「大学を中退したら、もう正社員にはなれないのでは」と悩んでいませんか。
先にお伝えすると、大学中退から正社員になる道はあります。ただし公的な調査を見ると、何もしないままアルバイトを続けると正社員から遠ざかりやすいのも事実です。
この記事では、大学中退者が正社員になれる割合の実態、なりにくい理由、正社員になるまでの進め方をまとめました。大学中退・短大中退の方の就職を支援しているバンキャリの紹介実績もあわせて紹介します。
- 大学中退は最終学歴が「高卒」の扱いになる。高卒以上・学歴不問の求人なら応募できる
- 20代の大学等中退者は、6割前後が一度も正社員を経験していない(JILPT調査)
- つまずきやすいのは「就活のやり方がわからない」「バイトで時間がない」こと
- 中退理由は短く事実を話し、「これからどう働くか」につなげる
- 未経験歓迎・研修ありの仕事を選ぶと、職歴がなくても挑戦しやすい
大学中退から正社員にはなれる?まず知っておきたい実態
最初に、大学中退をめぐる数字を確認しておきましょう。自分の立ち位置がわかると、何をすればいいかが見えてきます。
大学中退は「高卒」の扱いになる
大学を卒業していないと、履歴書上の最終学歴は高校卒業になります。そのため「大卒以上」が条件の求人には、応募できないことが多いです。
一方で、「高卒以上」「学歴不問」の求人には応募できます。大学に通った期間がムダになるわけではありません。面接では、大学で学んだことや、その間に続けたアルバイトの経験も話せます。
大学中退者は年間5万人ほどいる
文部科学省の調査では、2024年度(令和6年度)に大学を中退した人は50,516人で、学生全体の2.00%でした。短期大学では2,702人、3.95%です。
中退した理由(いちばん中心となる理由をひとつ選ぶ形式)は、次の順に多くなっています。
| 中退の理由 | 割合 |
|---|---|
| 転学・進路変更など | 22.3% |
| 学生生活になじめない・学ぶ意欲が下がった | 16.3% |
| 就職・起業など | 14.8% |
| お金の問題(経済的困窮) | 13.2% |
| 学力不振 | 7.0% |
| 心の病気(精神疾患) | 7.0% |
(出典:文部科学省「令和6年度 学生の中途退学者・休学者数の調査結果について」)
理由はさまざまです。中退は一部の特別な人だけのことではありません。
20代の中退者の6割前後は正社員の経験がない
「大学中退者が正社員になれる割合は?」という疑問には、労働政策研究・研修機構(JILPT)の研究が参考になります。国の調査をくわしく分析した結果、次のことがわかっています。
- 中退者は、卒業した人より、学校を離れてから働き始めるまでの期間が長い
- 20代では、中退者の6割前後が一度も正社員を経験していない
- 働いている場合も、正社員以外で働く割合が、同じ学校段階を卒業した人の2倍
(出典:労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究」資料シリーズNo.138(2015年))
裏を返すと、20代でも4割前後の人は正社員を経験しています。数字が示しているのは「中退者は正社員になれない」ではありません。「動き出しが遅れやすい」ということです。
大学中退・短大中退でも相談できる
バンキャリでは、大学中退・短大中退の方も企業に紹介できます。ニートや職歴なしの方も含め、こうした方の相談を積極的に受け付けています。紹介している求職者の約9割はフリーター・既卒・高卒・20代の方で、どの職種でも紹介実績の約9割は未経験からの入社です。
大学中退者が正社員になりにくい理由
大学中退者が正社員から遠ざかりやすいのは、学歴そのものよりも、中退した後の動き方に原因があることが多いです。
正社員を希望していても、準備に手が回らない
先ほどのJILPTの研究では、ハローワークに来た大学等中退者への調査も行っています。中退した時点では、半数近くが「正社員として就職したい」と考えていました。ところが、実際に正社員になるための準備をした人は3割にとどまっています。
その理由として挙がったのは、次の2つです。
- 正社員になるための就職活動のやり方がわからない
- 中退後はフルタイムに近い時間でアルバイトをしていて、就活の時間がとれない
(出典:労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究」)
在学中の就活なら、大学のキャリアセンターや説明会が道を示してくれます。中退すると、その流れから外れてしまいます。自分で窓口を探す必要がある、という点を先に知っておきましょう。
中退理由や空白期間をうまく説明できない
面接では、多くの場合「なぜ中退したのですか」と聞かれます。言葉に詰まったり、大学や周りのせいにしたりすると、「入社してもすぐ辞めるのでは」と受け取られがちです。中退してからの期間が長い場合は、その間に何をしていたかも聞かれます。
選考で見られているのは学歴より「人」
私たちが紹介した方の選考を見ると、書類の段階で落ちることはあまり多くありません。書類で見送られるのは、年齢の割に職歴の数が多い方や、短い期間で辞めることが続いている方が中心です。面接では、第一印象が暗い、質問と答えが噛み合わない、といった理由で見送られることがあります。学歴よりも、話し方や受け答えを準備しておくことが大切です。
中退したタイミング別の動き方
大学中退といっても、今どの段階にいるかで、やるべきことは変わります。自分に近いものを選んでください。
| 今の状況 | やっておきたいこと |
|---|---|
| まだ在学中で、中退を考えている | 退学届を出す前に、家族や大学の窓口に相談する。中退するなら、その後の進路(就職先の探し方)を先に決めておく |
| 中退したばかり(半年以内) | アルバイトだけで時間を埋めず、早めに正社員の求人探しを始める。中退理由を言葉にしておく |
| 中退して1年以上たった | 中退後に続けてきたこと(アルバイト・勉強・家の手伝いなど)を整理し、空白期間の説明を用意する |
どの段階でも、ひとりで抱え込まず、外の窓口を早めに使うことが近道になります。
大学中退から正社員になる進め方5ステップ
ここからは、大学中退から正社員を目指すときの進め方を、順番に見ていきます。
ステップ1:中退した理由を自分の言葉で整理する
まずは、なぜ大学を辞めたのかを紙に書き出します。「勉強に興味が持てなかった」「お金が続かなかった」など、きれいな言葉にしなくて大丈夫です。
そのうえで、「中退して何に気づいたか」「これから仕事でどうしたいか」を1〜2行ずつ足します。これが、面接での答えの土台になります。
ステップ2:目指す職種を決める
やりたいことが決まっていなくても、職種は選べます。次のような順で絞り込んでみましょう。
- 働くうえでゆずれない条件を2つまでに絞る(例:土日休み、実家から通える)
- 大学やアルバイトで「苦にならなかったこと」を思い出す(例:コツコツ作業する、手を動かす)
- 未経験歓迎・研修ありの職種から選ぶ(次の章で紹介)
条件をたくさん並べると、応募できる求人が一気に減ります。最初は少なめにするのがコツです。
ステップ3:求人を探す
求人の探し方は1つに絞らず、組み合わせるのがおすすめです。
- 求人サイト:自分のペースで探せる。「学歴不問」「未経験歓迎」で絞り込む
- ハローワーク・わかものハローワーク:公的な窓口。相談しながら探せる
- 就職エージェント:担当者が求人を紹介し、書類や面接の準備も手伝う
ステップ4:履歴書を書く
大学中退は、学歴欄にそのまま書きます。書かずに隠すと、経歴を偽ったと受け取られるおそれがあります。
- 書き方の例:「〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 入学」→「同 中途退学」
- 理由は一言添えてもよい(例:「経済的な事情により中途退学」「進路変更のため中途退学」)
- 中退後のアルバイトは職歴として書ける
志望動機の書き方は「未経験転職の志望動機の書き方|例文とポイントを解説」も参考にしてください。
ステップ5:中退理由の伝え方を準備する
面接で中退理由を話すときは、「事実 → 反省や気づき → これから」の順にすると伝わりやすくなります。
| 中退の理由 | 伝え方の例 |
|---|---|
| 勉強に興味が持てなかった | 目的を決めずに進学してしまったと認める。働くなかで手に職をつけたいと考えるようになったことを話す |
| お金の問題 | 学費が続かなかったと事実を短く話す。働いて自立したい気持ちを伝える |
| 大学生活になじめなかった | 人のせいにせず、当時の自分の課題を話す。今はそのためにどんな工夫をしているかを伝える |
| やりたいことが見つかった | 何をしたいのか、なぜ大学ではなく就職なのかを具体的に話す |
ウソをついたり、話を盛ったりする必要はありません。面接の答え方は「未経験転職の面接対策|よくある質問と回答例」でも紹介しています。
大学中退から目指しやすい仕事
大学中退から正社員を目指すなら、次の3つがそろった仕事を選ぶと挑戦しやすくなります。
- 高卒以上・学歴不問:大学中退でも応募できる
- 未経験歓迎:これまでの経験より、人柄や意欲を見てくれる
- 研修やOJTがある:OJTは、先輩について働きながら仕事を覚えるしくみ
正社員とそれ以外で、給料の差は年齢とともに開く
国の賃金調査では、フルタイムで働く人の毎月の基本給(残業代などを除く)は次のとおりです。
| 年齢 | 正社員 | 正社員以外 |
|---|---|---|
| 20〜24歳 | 約24.8万円 | 約20.4万円 |
| 35〜39歳 | 約35.3万円 | 約23.0万円 |
(出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」雇用形態別にみた賃金。千円単位を万円に直して四捨五入)
20代前半では差は4万円ほどですが、30代後半になると12万円ほどに広がります。正社員を目指すなら、早めに動くほど有利です。
バンキャリで紹介が多い職種と年収の目安
バンキャリで未経験の方の紹介が多いのは、次の職種です。年収は、私たちの紹介実績から見た入社1年目の目安です。
| 職種 | 主な仕事 | 初年度年収の目安 |
|---|---|---|
| 製造職 | 工場での組み立て・加工・検査 | 約300〜500万円 |
| 機械系エンジニア | 機械の組み立てや点検・保守 | 約300〜500万円 |
| 半導体エンジニア | 半導体をつくる装置の操作・保守 | 約300〜500万円 |
| 施工管理職 | 建設現場の工程・安全・品質の管理 | 約300〜500万円 |
| 事務職 | データ入力・書類作成・電話対応 | 約300〜400万円 |
技術職というと理系のイメージがあるかもしれません。実際には、研修やOJTで決まった手順の作業から少しずつ覚えていく職場が中心です。仕事の中身は「工場勤務の年収はいくら?」「施工管理の仕事内容とは?」でもくわしく紹介しています。
大学2年で中退した場合の進み方
21歳・大学2年で中退し、飲食店のアルバイトを続けている場合 中退の理由を、目的を持たずに進学して勉強に身が入らなかったことだと整理し、働きながら手に職をつけたいという方向を決めます。アルバイトのシフトを少し減らして就活の時間をつくり、学歴不問・未経験歓迎で研修のある製造職や機械系エンジニアの求人に絞って応募します。面接では、中退の事実を短く話したうえで、アルバイトで続けてきたことと、入社後に研修で一から覚えたい意欲を伝えます。製造職の未経験での初年度年収は、バンキャリの紹介実績では約300〜500万円が目安です。
※よくあるご相談をもとに作成した架空のモデルケースです。
大学中退者が正社員を目指すときの相談先
大学をやめると、キャリアセンターのような身近な相談先がなくなります。公的な窓口と民間のサービスを、目的に合わせて使い分けましょう。
| 相談先 | 特徴 | こんな人に |
|---|---|---|
| わかものハローワーク | 正社員を目指す、おおむね35歳未満の若者を支える公的な窓口 | 相談しながら求人を探したい |
| ハローワーク | 全国にある公的な職業紹介の窓口 | 近くの窓口で地元の求人を探したい |
| 地域若者サポートステーション(サポステ) | 働くことに悩む15〜49歳を支える国の窓口 | 働く自信がなく、準備から始めたい |
| 就職エージェント | 担当者が求人紹介・書類・面接の準備まで伴走 | すぐにでも正社員の就活を進めたい |
(出典:厚生労働省「若者への就職支援」、厚生労働省「地域若者サポートステーション」。2026年10月時点)
中退をきっかけに気持ちが落ち込み、外に出るのがつらい状態が続いている場合は、就職を急ぐ必要はありません。サポステなどで、まず生活を整えるところから相談してみてください。働いていない期間が長い方は「ニートからの転職・就職は可能?正社員になる進め方と相談先」も参考になります。
面談では「20代後半だけど間に合うか」「面接で何を話せばいいかわからない」という声をよく聞きます。バンキャリでは20代後半や30代の方の紹介実績もあり、面接の前には聞かれそうな質問と答え方を一緒に準備します。内定で終わりではなく、入社後まで伴走するのが私たちの方針です。入社6か月時点の定着率は97%です(2026年度、バンキャリ調べ)。
大学中退と正社員就職に関するよくある質問
大学中退者が正社員になれる割合はどのくらい?
JILPTの研究では、20代の大学等中退者のうち6割前後が一度も正社員を経験していないとされています。言いかえると、4割前後は20代のうちに正社員を経験しています。早めに正社員を目指して準備を始めることが大切です。
大学中退から正社員になれる会社はある?
「高卒以上」「学歴不問」「未経験歓迎」と書かれた求人なら応募できます。求人票を見るときは、応募条件の学歴の欄を最初に確認しましょう。バンキャリで紹介が多い製造職・機械系エンジニア・半導体エンジニア・施工管理職・事務職も、未経験からの入社が約9割です。
大学中退で正社員になるのは無理ですか?
無理ではありません。大切なのは、中退理由を前向きに説明できるよう準備し、アルバイトだけで時間が過ぎないうちに動き出すことです。バンキャリでも、大学中退・短大中退の方の紹介を行っています。
短大中退でも同じ進め方でいい?
基本は同じです。短大中退も最終学歴は高卒の扱いになるため、高卒以上・学歴不問の求人が中心になります。短大で学んだことや資格の勉強があれば、面接で話せる材料になります。
何歳までに正社員になればいい?
「何歳まで」という決まりはありません。ただ、正社員とそれ以外の給料の差は年齢とともに広がります。年齢と転職の関係は「転職は何歳まで?年代別の現実と対策ポイント」もあわせて読んでみてください。
まとめ:大学中退から正社員へは、早めの準備で道が開ける
大学中退から正社員を目指すポイントをおさらいします。
- 大学中退は「高卒」の扱い。高卒以上・学歴不問の求人に応募できる
- 20代の中退者の6割前後は正社員未経験。原因は「やり方がわからない」「時間がない」が多い
- 中退理由は「事実 → 気づき → これから」の順で話す
- 未経験歓迎・研修ありの仕事を選ぶと挑戦しやすい
- キャリアセンターの代わりに、公的な窓口や就職エージェントを早めに使う
フリーターとして働きながら就活を進める方は「フリーターの就活の進め方|正社員になるまでの5ステップ」、正社員を目指す全体の流れは「正社員に転職するには?成功するための方法と対策」も参考にしてください。
大学中退からの就職、ひとりで悩まずに相談してください
バンキャリでは、大学中退・短大中退・フリーターの方の正社員就職を無料でサポートしています。中退理由の伝え方や職種選び、履歴書・面接の準備まで一緒に進め、入社後まで伴走します。「何から始めればいいかわからない」という段階でも、お気軽にご相談ください。

