応募しても決まらず、「フリーターの自分は正社員になれないのでは」と落ち込んでいませんか。
結論からいうと、フリーターから正社員を目指した人の約3分の2は実際になれています。決まらないときは、才能や学歴よりも「どの段階で止まっているか」に原因があることがほとんどです。
この記事では、正社員になれない原因を5つの段階に分けて整理し、それぞれの直し方をまとめました。書類や面接で落ちる理由は、バンキャリの紹介実績からお伝えします。
- 東京都の25〜34歳を対象にした公的調査では、正社員を目指したフリーター経験者の66.6%が正社員になれている
- ただしフリーター期間が4年を超えると、なれた割合は大きく下がる
- 「なれない」原因は、動けていない/応募先がずれている/書類/面接/内定後の迷い、のどこかで止まっていることが多い
- 書類で落ちやすいのは、年齢の割に職歴の数が多い・短期離職が多いケース
- 面接で落ちやすいのは、第一印象が暗い・受け答えが噛み合わないケース
フリーターは本当に正社員になれない?データで見る実態
「フリーターは正社員になれない」という話をよく目にします。まずは公的な調査で、実際にどうなっているかを確かめましょう。
正社員を目指した人の約3分の2はなれている
労働政策研究・研修機構(JILPT)は、東京都に住む25〜34歳の若者を対象に、フリーター経験について調べています。2021年の調査結果は次のとおりです。
| 項目 | 男性 | 女性 | 男女計 |
|---|---|---|---|
| フリーター経験者のうち、正社員になろうとした割合 | 74.4% | 63.8% | 68.1% |
| 正社員になろうとした人のうち、なれた割合 | 72.0% | 62.3% | 66.6% |
(出典:労働政策研究・研修機構「大都市の若者の就業行動と意識の変容―『第5回 若者のワークスタイル調査』から―」。図表4-26・4-28)
正社員を目指して動いた人のうち、3人に2人はなれています。「フリーターだから無理」というわけではないことが、数字からわかります。
ここでいうフリーターは、学生でも主婦でもなく、パートやアルバイトとして働いている人です。全国の数字ではなく、東京都の若者の調査である点は覚えておいてください。
フリーター期間が4年を超えると、なれる割合が下がる
同じ調査では、フリーターを続けた期間と、正社員になれた割合の関係も調べています。
- フリーター期間が1年を超えると、なれた割合は下がり始める
- 3〜4年では約6〜7割がなれていた
- 4〜5年になると、男性で5割程度、女性で3割程度まで下がる
(出典:同上。図表4-33)
調査は、下がる理由までは示していません。ただ、期間が長いほど、面接で経歴の説明を求められる場面は増えます。早めに動くほど、選べる道は多くなります。
「なれない」の前に「まだ動いていない」人も多い
上の表を見ると、フリーター経験者のうち、正社員を目指して動いた人は7割ほどです。残りの人は、正社員になろうとしていません。
「なれない」と感じている人の中には、応募をほとんどしていない人も含まれます。自分がどちらに当てはまるかを、次の章で確かめてみましょう。
正社員との給料の差は年齢とともに広がる
フルタイムで働く人の月の基本給(残業代などを除いた給料)を比べると、差は年齢とともに開きます。
| 年齢 | 正社員・正職員 | 正社員・正職員以外 | 差 |
|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 24.8万円 | 20.4万円 | 約4.4万円 |
| 25〜29歳 | 28.5万円 | 22.8万円 | 約5.7万円 |
| 30〜34歳 | 32.1万円 | 23.4万円 | 約8.7万円 |
(出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」雇用形態別にみた賃金。千円単位の数字を万円に直して四捨五入)
「正社員になれないなら、このままでいい」と考える前に、この差も知っておいてください。
フリーターが正社員になれない5つの原因
正社員になれない原因は、人によって違います。まずは、自分がどの段階で止まっているかを確認しましょう。
| 止まっている段階 | よくある状態 | 見直すこと |
|---|---|---|
| 動き出せていない | 求人は見るが、応募まで進まない | 期限と行動量を決める |
| 応募先がずれている | 経験者向けや人気の高い求人ばかり受けている | 未経験歓迎・研修ありの求人を軸にする |
| 書類で落ちる | 面接まで進めない | 職歴の説明と書き方 |
| 面接で落ちる | 面接には呼ばれるが、内定が出ない | 第一印象と受け答えの準備 |
| 内定後に迷う・すぐ辞める | 決まっても入社しない、入社しても続かない | 会社の選び方 |
原因1:応募まで進めず、時間だけがたっている
「もう少し準備してから」「いい求人が出たら」と考えているうちに、数か月たってしまうパターンです。前の章のとおり、フリーター期間が長くなるほど、なれる割合は下がっていきます。
アルバイトのシフトが多く、就活の時間が取れないという人も少なくありません。疲れている日に求人を探すのは、それだけで大変です。
原因2:応募先が自分の経験と合っていない
正社員の経験がない人が、経験者向けの求人や応募が集中する人気の職種ばかり受けていると、なかなか決まりません。
一方で、「未経験歓迎」「研修あり」と書かれた求人は、もともと経験のない人を育てる前提で募集しています。応募先を変えるだけで、結果が変わることもあります。
原因3:書類で落ちる
バンキャリの紹介では、書類で落ちることは多くありません。たまに落ちるのは「年齢の割に職歴の数が多い」「短期間での退職が多い」ケースです。
アルバイトを短い期間で何度も変えてきた人は、この点で見られやすくなります。職歴の数そのものは変えられませんが、なぜ変えたのか、今は何を大事にしたいのかを書き添えると、伝わり方は変わります。
原因4:面接で落ちる
面接で落ちやすいのは、「第一印象が暗い」「受け答え(コミュニケーション)が噛み合わない」ケースです。バンキャリの面接対策では、想定される質問と答え方を事前に準備する機会があります。
「受け答えが噛み合わない」とは、聞かれたことと違う話をしてしまう状態です。緊張して長く話しすぎたり、言い訳を重ねたりすると起きやすくなります。
原因5:内定が出ても迷う・入社してすぐ辞めてしまう
内定が出たのに「本当にここでいいのか」と迷って断る人もいます。条件をよく確かめずに入社して、すぐに辞めてしまう人もいます。
短い期間で辞めると、次の応募で「短期離職」として見られます。原因3の「書類で落ちる」につながってしまうため、会社選びの段階で防ぎたいところです。
原因別:正社員になれない状態から抜け出す方法
自分が止まっている段階がわかったら、その部分を直していきます。
動き出せないときは「期限」と「週の行動量」を決める
「いつまでに正社員になるか」を先に決めます。そのうえで、1週間にやることを小さく決めましょう。
- 今週は求人を5件読んで、気になる仕事を2つ書き出す
- 来週は履歴書を1枚作る
- 再来週は2社に応募する
アルバイトのシフトが詰まっているなら、就活の期間だけ少し減らすことも考えてください。
応募先は「未経験歓迎」「研修あり」「人手が足りない業界」で選ぶ
経験がない人が狙いやすいのは、この3つがそろった仕事です。希望の条件は、譲れないものを2〜3個に絞りましょう。
| 条件 | 決め方の例 |
|---|---|
| 勤務地 | 通える範囲を決める。転居ができると選択肢は広がる |
| 働き方 | 夜勤や交替制ができるかを考えておく |
| 仕事内容 | やりたいことより「苦手な働き方」を外していく |
求人の探し方は「就職の探し方7つ」で詳しく比べています。
書類は「職歴の説明」を一言そえる
履歴書と職務経歴書(これまでの仕事の中身をまとめる書類)では、アルバイト経験も立派な職歴として書けます。
- 何年続けたか、どんな役割を任されたかを1行ずつ書く
- シフトリーダーや新人教育、発注など、責任のある仕事は特に書く
- 短い期間で辞めた仕事があれば、理由を短く書き、今は長く働きたいことを伝える
空白期間(働いていなかった期間)がある場合も、隠さずに何をしていたかを書きましょう。
面接はよく聞かれる質問の答えを準備しておく
フリーターの面接で聞かれやすい質問と、答え方のコツです。
| 聞かれること | 答え方のコツ |
|---|---|
| なぜフリーターだったのか | 事実を短く話す。言い訳を重ねず、今の気持ちで締める |
| なぜ今、正社員なのか | 身につけたい力や、長く働きたい理由を話す |
| 長く働けますか | この会社を選んだ理由とつなげて答える |
| アルバイトで頑張ったこと | 具体的な場面を1つだけ選んで話す |
答えの中身と同じくらい、あいさつの声の大きさや表情も印象を左右します。家で一度、声に出して答える練習をしておきましょう。答え方の例は「未経験転職の面接対策|よくある質問と回答例」も参考にしてください。
内定後は「入社してから」を確かめて決める
内定が出たら、次の点を確かめてから返事をしましょう。
- 研修やOJT(先輩について仕事をしながら覚える教育)があるか
- 休日、残業、夜勤の有無が生活に合うか
- 実際に働く場所と、仕事の中身
ここで迷いが消えないなら、応募先選びの段階に戻って条件を見直すサインです。
企業がフリーターの応募で気にしていること
企業がフリーターの応募を見るとき、気にしているのは主に3つです。どれも準備で答えられます。
| 企業の心配 | 伝えると安心してもらえること |
|---|---|
| すぐに辞めてしまわないか | アルバイトを続けた期間、この会社で長く働きたい理由 |
| フリーターだった期間をどう説明するか | 当時の事情を短く、今は正社員として働きたいという気持ち |
| 社会人としての基本ができているか | 遅刻をしない、報告・連絡をするなど、アルバイトで続けてきたこと |
フリーターだったこと自体を責められるわけではありません。「これからどう働くか」を自分の言葉で話せるかが見られています。
企業の見方と就活全体の流れは、「フリーターの就活の進め方|正社員になるまでの5ステップ」でも詳しくまとめています。
フリーターから正社員になれた人がしていたこと
なかなか決まらなかった人が、どうやって正社員になったのかを見てみましょう。
決まらない状態から正社員になった例
20代半ば・高卒・フリーター歴3年(コンビニ) → 自動車部品メーカーの製造オペレーター(正社員) なかなか正社員の仕事が決まらない状態から、アドバイザーのサポートを受けて内定しました。決め手は、前向きに取り組めそうな仕事であることと、年収が高いこと。未経験で不安もありましたが、研修が充実していて、仕事に早くなじめました。年収は約200万円から約330万円に上がっています。
この例では、研修が充実した職場だったことが、未経験でも早くなじめた理由になりました。「なれない」と悩んでいるときこそ、育てる仕組みのある会社を探す価値があります。
正社員になるために取られている方法
先ほどのJILPTの調査では、正社員になろうとした人がどんな行動をしたかも調べています。主なものは次のとおりです。
- アルバイト先の正社員登用に応募した
- 正社員になる見込みのある仕事に応募した
- 他の会社の正社員に応募した
- 資格試験を受けた
- ハローワークなどの公的機関で、仕事探しの相談をした
(出典:労働政策研究・研修機構「大都市の若者の就業行動と意識の変容」。図表4-35)
1つの方法で決まらなければ、別の方法を組み合わせてみてください。今のアルバイト先に正社員登用の制度があるなら、実際に登用された人がいるかを聞いておくのも一つの手です。
フリーターから目指しやすい仕事
バンキャリで紹介している求職者の約9割が、フリーター・既卒・高卒・20代の方です。紹介が多いのは製造職・機械系エンジニア・半導体エンジニア・施工管理職・事務職で、どの職種も紹介実績の約9割が未経験からの入社です。私たちキャリアアドバイザーは、未経験からでも技術職なら「手に職」をつけられると考えています。
| 職種 | 向いている人 | 初年度年収の目安(未経験) |
|---|---|---|
| 製造職 | 決まった手順をこつこつ守れる人 | 約300〜500万円 |
| 機械系エンジニア | 機械いじりや組み立てが好きな人 | 約300〜500万円 |
| 半導体エンジニア | 装置の操作や点検を覚えたい人 | 約300〜500万円 |
| 施工管理職 | 人と話しながら段取りを進めたい人 | 約300〜500万円 |
| 事務職 | 座ってパソコン作業をしたい人 | 約300〜400万円 |
年収の目安は、バンキャリの紹介実績から出した入社1年目の数字です。勤務地や夜勤の有無、会社によって上下します。
ひとりで正社員になれないときに頼れる窓口
ひとりで応募を続けて決まらないなら、誰かに相談しながら進めるのが近道です。無料で使える窓口があります。
| 窓口 | 対象・特徴 |
|---|---|
| わかものハローワーク | 正社員を目指す、おおむね35歳未満の人 |
| 新卒応援ハローワーク | 学生や、卒業後おおむね3年以内の人 |
| 地域若者サポートステーション(サポステ) | 働くことに悩みがある人。働く前の段階から相談できる |
| 就職エージェント | 民間の会社が、求人の紹介から書類・面接の準備まで手伝う |
(出典:厚生労働省「若者への就職支援」)
知っておきたい公的なしくみ
- 新卒枠:国は企業に、卒業から少なくとも3年間は既卒の人も新卒枠で受け付けるよう求めています。企業の努力義務なので、受け付けない会社もあります(出典:厚生労働省「若者の募集・採用等に関する指針」)
- トライアル雇用:職業経験が少ないなどの理由で就職が難しい人を、正社員などの無期雇用を前提に原則3か月試しに雇う制度です。使える人には条件があるので、ハローワークで確認してください(出典:厚生労働省「トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)」)
卒業してまもない方は「既卒フリーターから正社員になるには?」、22歳前後の方は「22歳フリーターはやばい?」も読んでみてください。
フリーターが正社員になれないときのよくある質問
高卒のフリーターでも正社員になれますか?
目指せます。バンキャリで紹介している求職者の約9割がフリーター・既卒・高卒・20代の方で、紹介実績の約9割が未経験からの入社です。学歴よりも、応募先の選び方と面接の準備で結果が変わることが多いです。
30歳を過ぎたフリーターでも正社員になれますか?
JILPTの調査では、正社員を目指した30〜34歳のうち68.5%が正社員になれています(東京都の調査)。バンキャリでも、20代後半・30代の紹介実績があります。ただし、フリーター期間が長いほどなれる割合は下がるため、早めに動くことをおすすめします。
何社も落ちています。どこから見直せばいいですか?
まず、どの段階で落ちているかを確認してください。書類で落ちているなら書き方と応募先、面接で落ちているなら受け答えの準備を見直します。この記事の「5つの原因」の表で、自分の段階を確かめてみましょう。
資格を取ってからのほうが正社員になれますか?
応募したい求人で資格が条件になっていなければ、先に就活を始めて大丈夫です。未経験歓迎の求人は、資格がなくても応募できるものが多くあります。資格の勉強で就活が遅れると、フリーター期間が延びてしまう点に気をつけてください。
気持ちが落ち込んで、就活を続けられません
心や体の調子がすぐれないときは、就職を急がなくて大丈夫です。地域若者サポートステーションのように、働く前の段階から相談できる公的な窓口もあります。体調が気になる場合は、医療機関に相談することも考えてください。
まとめ:フリーターが正社員になれないのは「止まっている段階」がある
フリーターが正社員になれないときのポイントをおさらいします。
- 公的調査では、正社員を目指したフリーター経験者の66.6%がなれている(東京都の25〜34歳)
- フリーター期間が4年を超えると、なれる割合は大きく下がる。動くなら早いほうがよい
- 原因は「動けていない」「応募先がずれている」「書類」「面接」「内定後」のどこかで止まっていること
- 書類は職歴の説明を、面接はよく聞かれる質問の答えを準備する
- ひとりで決まらないときは、公的な窓口や就職エージェントを頼る
バンキャリでは、内定までではなく入社後まで伴走することを大切にしています。入社6か月時点の定着率は97%です(2026年度、バンキャリ調べ)。
何度も落ちると、自分を責めたくなります。でも、原因がわかれば直すことはできます。どこで止まっているのかわからないときは、まず一度相談してみてください。
正社員になれない…と悩んだら、ひとりで抱えずに相談してください
バンキャリでは、フリーター・既卒・未経験の方の正社員就職を無料でサポートしています。今どの段階で止まっているかの整理から、応募先選び、書類作成、面接対策まで一緒に進めます。入社後まで伴走するので、何社も落ちて自信をなくしている方もお気軽にご相談ください。

